こんにちは!
東洋経済 『ブログキャスター』 編集部です。
最近、終電直前ぎりぎりまで仕事をしていることが多く、
帰りの電車に乗ると、目も頭も疲れきっていて、
本を開いても活字がまったく目に入りません。
かといって、目をつぶっていると寝ちゃいそうなので
マンガを読むことにしました。
しばらく前に友人にもらった 「あしたのジョー」 。
アニメ版は大好きですが、マンガはじっくり読んだことがありませんでした。
これを機会に、と思って読んでみたら、
「あれっ? アニメのほうが面白い?」 。

(C)
講談社漫画文庫まあ、予想はしていました。
実を言うと、私はちばてつや氏の絵柄がそれほど好きではない。
一方でアニメ版を演出したのは、私が敬愛するアニメ監督の出崎統氏なのです。
出崎氏の手がけた作品には 「エースをねらえ!」 「ベルサイユのばら」
「宝島」 などがあります。とりわけ、 「ベルサイユのばら」 は、
当初の監督が降板して、途中から参加したのですが、
出崎氏が演出したとたんに、ストーリーも絵も非常にリアルになって、
それまでのベルサイユ宮殿の色恋話が一転、フランス革命が中心の話に変わり、
びっくりした思い出があります。
ベルバラがあまりに面白いので、コミックスを読んでみたのですが、
私にとっては単なる少女マンガでした。原作を尊重しつつも、
自分の世界観に引き込んでいく出崎氏の手腕に感嘆したものです。
アニメ 「あしたのジョー2」 は私の大のお気に入り。
時代設定を原作よりも若干最近にしたり、ジョーの吐しゃ物が美しく光ったりと、
原作のファンには批判が多いのですが、
原作では後楽園球場の特設リングで行われたカーロス戦を、
後楽園ホールに変えたりなど、少しずつリアリティを高めているところが、
私にとっては魅力なのです。
何より、物語が終盤になってくると、
ちばてつや氏の少々マンガチックな画風では、
ジョーの魅力や苦悩を表現しきれない。
だが、リアルな出崎版ジョーなら、それがしっくりくるのです。
さて、その出崎氏はかつて 「ゴルゴ13」 もアニメ化しています。
リアリティを出すためかどうか、出崎版ゴルゴは結構、セリフが多いし、
感情もあらわにします。
これも原作ファンの批判の的になっているようですが、私は出崎版ゴルゴは、
主役のゴルゴ13はともかく、彼の描くリアリティーあふれる世界観
(作画監督の杉野昭夫氏の手腕によるところも大きい) は、
実は原作のさいとうたかを氏よりも、
ゴルゴ13にはふさわしいのではないかと思うのです。

(C)
SAITO PRO/TV TOKYOそんな中、現在、ゴルゴ13が土曜日の深夜にテレビ東京系列で放映中です。
何回か見ました。絵柄も原作に忠実のようです。
きっと原作のファンは満足するかもしれません。
でも、原作を超える 「何か」 が感じられないのです。
単に原作に忠実につくるのではなく、
自分の世界観に引き込んで新しい作品に昇華させることこそ、
歴史に残る傑作アニメをつくる秘訣に違いありません。
(No)
posted by ブログキャスター at 13:02|
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