東洋経済 『ブログキャスター』 編集部です。
普段の移動は、東京駅にアクセスすることが多いのですが、
地下の一番街にある栄松堂書店は、いつ行っても立ち読みの列が絶えず、
賑わっています。ここは知る人ぞ知る、鉄道マニア御用達の書店なんですね。
秋葉原や神保町とは違って、客層はスーツ姿の 「鉄ちゃん」 が目立ちます。
今日は、鉄道ファンでなくても楽しめる小説 『東京箱庭鉄道』 を紹介します。
著者の原宏一さんは遅咲きながら、 『床下仙人』 のブレーク以来、
エンタテインメントの世界では、要注目の作家であります。
事情があって広告会社を辞めて、フリーターをしている青年が、
謎の老紳士から 「400億円で3年以内に鉄道をこしらえてほしい」
という奇想天外な依頼を受けます。最初は半信半疑だった青年も、
仲間を巻き込み、鉄道づくりに奔走することになります。
(C) 祥伝社
このお話は 「東京都内」 というのがミソだと思うんです。
外環道の練馬 〜 世田谷間の延伸コストが、
1メートルあたり8000万円というじゃないですか。
地下深くまで掘らざるを得なかった都営大江戸線にしても、
気が遠くなるほど天文学的な費用と時間を要して、開通にこぎつけているのです。
それをこの東京都内に、
3年400億円でどうやって鉄道を敷こうというのかと … 。
物語の鉄道は、素人の若者たちが、
綿密なリサーチによりプランを練り上げていきますが、
そういうやり方もあるんだなあと、思わず唸りました。
所々に挿入される、鉄道にまつわる薀蓄話も、また楽しい。
著者自身が、
「地図を見ながら、どこを走らせようか考えていると、ワクワクした」 と、
執筆時を振り返っていますが、その熱が読者に伝わってくるような、
痛快なストーリーです。
物語は途中から意外な展開をみせ、
ちょっぴりほろ苦いラストが用意されているのですが、
なんだか久しぶりに、都電荒川線に乗ってみたくなりました。
(Ny)


よんでみます!(^^)!